2
寿司のネタとなる魚だが、一般的にはネタにしない魚を選んだ。
魚はものすごく大きいため、捕るのにちょっぴり苦戦した。
『握り寿司なんて久しぶり…』
両親と住んでいる頃は作ってあげていたな、と懐かしい気持ちで寿司を作る。
暗殺一家に生まれた私は、小さい頃から鍛練ばかりで、私もその生活が嫌いだった訳じゃない。
だけど二年前の仕事帰りに偶然会ったヒソカに私は気に入られ、その日からヒソカと度々会うようになった。
だんだん私もヒソカのこと信頼しだして、なによりヒソカの力に憧れて、一年前から家を出て一緒に旅をしていた。
ヒソカには念を教えてもらったり、更に強くなるように毎日訓練してもらった。
『…よし、出来た』
たまにはヒソカにも何か作ったりしてあげてもいいかもしれない、と思った。
私の腕もまだまだ捨てたもんじゃない。
早速メンチさんのところへと持って行く。
「あら、見たことのないネタね」
メンチさんはこの魚をネタにするなんて、っていう感じで凝視している。
『食べてみて下さい。これ、案外美味しいんですよ』
そう言って勧めると、メンチさんは寿司を食べた。
「!美味しい…。これ、イケるわ!!寿司の握り飯も適度に固められているし。貴方、修業とかしてたの?」
『父親が好きで、修業もしたことがあります。この寿司は新鮮な内しか食べられないんですけど、美味しいでしょ?』
何たって、私も初めて食べた時は感動したもん。
「ええ…。45番、合格!!」
メンチさんが大きな声で叫んだ。
何とか合格した。
私は、メンチさんに美食ハンターにならないかと言われたが、断って川辺に向かった。
[ 17/153 ][*prev] [next#]
[back]
[しおりを挟む]