冷たい彼の優しい手
6話
あの頃からずっと、サスケを見ていた。
独りぼっちな自分と同じ仲間のように思っていた。
一方的に。
一方通行のこの気持ちは、まだ名前も知らなかったあの頃から、同じ班になった今でも、サスケには届かないまま…………。
「ハァー、くるしーってばよ………」
荒い呼吸を繰り返しながら、ナルトはごろりと地面に寝転がった。
熱で身体は熱いのに、背筋の悪寒が止まらない。
今朝より、だいぶ熱が高くなっているようだ。
頭の中が、どこか朦朧としてくる。
気力を削り取られたように、意識が現実から遠のいていきそうだった。
結構、これはヤバイかも。
どうしようと半ば焦る気持ちが、急に心細さを自覚させた。
(オレってば、どーなっちまうんだろ………)
[ 前 へ ][ 次 へ ]
[目 次 へ ][TOPへ]