冷たい彼の優しい手
4話
しかし、一度でもそうやって膝をついてしまうと気力は保たないらしく、ずっと堪えていた疲労と苦痛が途端にどっと襲ってきて、そのまま倒れるようにナルトはへたりこんでしまった。
「いってー」
じくじくと痛むこみかみ。
頭の芯が疼くように火照っている。
良くこの状態で任務をこなしたと、我ながら感心してしまう。
簡単な迷子ペット捕獲任務だったけれど。
カカシの誘導の元、三人で連携してターゲットを追い込んでいったのだが、サスケやサクラの動きに着いていくのすら、本当はきつかった。
体調の悪さを誤魔化そうと無理にはしゃいで、必要以上にサスケに突っかかってしまったりもした。
その度に、彼の眉が酷く不機嫌そうに寄せられて、決まり文句のように「ドベ」「ウスラトンカチ」と罵られたけれど。
反応と言えばそれぐらいで、それ以上、たいして相手にされなかった。
―――――いつもそうだ。
ほろ苦く、ナルトはその現実を認識する。
[ 前 へ ][ 次 へ ]
[目 次 へ ][TOPへ]