冷たい彼の優しい手
2話

幼い頃より何故か傷の治りが早く丈夫が取り柄の自分だが、万病の元と言われる風邪には勝てなかったらしい。
(この時点ではナルトはまだ九尾の存在を知らないので、治りが早い理由を知りません)


「うー…なんかカラダだりィーってば……」


それでも第7班のメンバーの前では、極力普段通りに振る舞って、午前中はDランク任務をこなした。


おかげで、頭痛及び身体のだるさに始まった症状が、どんどん悪化してしまったようだ。


こんなに不調に陥りながらも、任務を休まなかったのは、生まれて此の方ずっと一人で生きてきた事で培われた、ド根性と意地のおかげだった。


他人に弱みを見せるのが大嫌いなナルトとしては、今の状態を誰かに見せる気には全然なれなかった。


せめて、冗談を叩けるぐらいに復調しないと、人前になんて出られない。


そんなに具合が悪いのならば、早々にアパートへ帰って寝ればいいのだろうが、けれどその為には里の中心部を通らなければならないのだ。



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