冷たい彼の優しい手
1話

2012.07.21start
前書き

一部設定。

7班になりたての頃の、ナルトとサスケのほのかな触れあいです。

原作の時間軸でいうと、2巻、第7班になりたての頃。

鈴取り演習に合格した後、「迷子ペット・トラ捕獲任務」をやるでしょ。
小説内のDランク任務は、この任務をイメージして書きました。

下忍になりたてのナルトが、周囲に意地を張って生きてるんだけど、少し弱気になってしまい………。

意外に優しいサスケが出てきます。

冷たい(と思っていた)彼の(手は)優しい手(だった)

…とゆ〜タイトルです。





「あー…マジ、だりィーってばよ……」


湿った忍服が肌にまとわりつく。吐く息の熱さが、我ながら気持ち悪い。


里の中心部を抜け出し、人気のない場所を求めて里の外れにある森をうろついていたナルトは、じわりと浮かぶ嫌な汗を袖口でぐいと拭って、下草の生えた地面にへたり込んだ。


とりあえず、ここなら誰にも見つからないに違いない。


朝起きると酷く寒気がして、熱があるのか身体がだるかった。


頭が痛い。


喉が痛い。


背筋の悪寒が止まらない。


あきらかに風邪の症状だった。


つい最近、下忍に合格したばかりで、必要以上に張り切りすぎて、思った以上に疲れが溜まっていたのが原因か。


それとも、夕べは季節外れの蒸し暑さで、つい窓を開けっぱなしたままで寝てしまったのが悪かったのか。



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