雨上がりの蒼穹
13話
「空も里も、雨上がりですっげーキレーなんだからよ!」
ほら!と両腕を広げて、ナルトが大きく深呼吸する。
屈めていた腰を伸ばし、サスケも眼下を見渡した。
確かに、雨に洗われた里は緑が一層鮮やかさを増して、とても綺麗だった。
けれどサスケにとっては、よっぽど隣にいる彼の方が綺麗だと思う。
太陽のように光を弾く黄金糸も、愛嬌のある頬の痣も、空よりも蒼く煌めく瞳も。
風に翻る、六代目火影の文字も鮮やかな羽織が、随分とサマになっている。
その凛とした姿に、サスケは目許を綻ばせしばし見惚れた。
「…………サスケに呼ばれた気がしたんだってばよ……」
「………は?」
知らず穏やかな眼差しで見つめていれば、唐突にナルトが呟いた。
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