雨上がりの蒼穹
12話
マジメにお仕事してますと、まるでアピールするかのようにナルトは胸を張って言い切った。
得意満面の少年のように溌剌とした表情で。
黄色い閃光の再来だ、救世主だと、忍界全土にその名を轟かせる火影だとは、とても思えないような言い種に、思わず苦笑が漏れる。
変わらない、懐かしい少年の頃の面影が、何だか胸にくすぐったい。
「フッ…変わんねェな、ウスラトンカチ」
「ハァァ!?イキナリ何だってばよ!?サスケこそ、水たまりなんかジーッと見ちゃって、すっげーマヌケだってばよ!」
「…………空を見てただけだ」
「空ァ?……ドコに空?」
「……水たまりに映った空を見てた」
「??」
不思議そうに蒼い瞳がぱちくりと瞬いて、水たまりを見て、それから頭上の空を振り仰いだ。
「バッカみてー!そんなちっちぇー空見てねーで、顔上げてみろってば!」
ぐいと腕を引っ張られ、パシャンと二人の足下で飛沫が跳ねた。
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