雨上がりの蒼穹
11話
空色の瞳が、悪戯っ子のような表情でニカッと笑った。
それは、今の今まで心を占めていた相手で。
独占したいと願い、けれど実際には、多忙な彼の時間全てを独占できるとは思っていなかった、愛しい人だった。
凄い偶然だ、と思う。
この瞬間に、この場所で出会うなんて。
「………………」
風に乗り、ナルトからふと陽向の匂いを感じた。
太陽のような彼の持つ薫りだ。
「おーい、サスケェ?」
思いがけない登場に、ただぼんやりと見つめていれば、不思議そうに首を軽く傾げられた。
「何ボケ〜ッとしてんの?」
酷く間近に蒼い瞳が覗き込んでくる。
水たまりに映った空より、一層深みのある蒼。
「………やっぱり、お前の目の方が蒼い……」
「へ?」
「…………いや。何でここにいる?仕事はどうした?」
「ちゃんと終わらせてきたってばよ!オレってば火影だかんな!」
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