雨上がりの蒼穹
7話
もちろんサスケも同じだ。
結婚し、彼の最上級の愛情を手に入れても尚、いつだって本当は独占したいと思っている。
鉄砲玉のように、いつもいつも元気に外を駆けずり回って、挙げ句、仕事場に缶詰めになっている自分の元からポンと消えてしまうような彼だけど。
「火影をいつでも独り占めできるとは思ってねェが……」
人気者の火影様は、引く手あまたなのだ。
こうして里に、彼の傍に戻ってこれたのだって、ナルトの強い想いがもたらした奇跡が沢山積み重なっての事なのだから、多くは望まない。
我儘は言えない。
でも時として、無理だと分かっていても、独占したくなる時がある。
こんな雨の降る日は、特に。
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