雨上がりの蒼穹
6話
その時から、自分は変わった。
雨の呪縛から解き放たれ、しっかりと未来を見つめ歩き始めた。
ナルトに相応しい人間になるために。
この強く清冽な彼の隣に立っていても良いように。
そして、亡き兄が自分を誇りに思ってくれるように。
木ノ葉の里を守るために生きるのだと、そう心に誓った。
―――――そして今。
自分はナルトと同じ場所に立ち、同じ未来を追っている。
火影補佐として。
変われたのは、ナルトのおかげだ。
自分だけでなく、忍も、木ノ葉も、忍界全土も、全てがたった一人の存在によって確実に変わりつつある。
ナルトによって。
かつては、予言の子・救世主などただの戯言だ、と揶揄を込めて呼ばれていた彼を、疑う者など既にいない。
誰もが、彼を信じている。
里を愛するのと同じ強さで、皆が火影となった彼に憧憬の眼差しを向けている。
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