雨上がりの蒼穹
3話

なぜ表現が過去形になっているかと言うと、今では雨もそう嫌いではなくなってきたから。


変わったのは、この里に戻って来てからの事だ。


そして、その気持ちを変えてくれたのは、今では生涯の伴侶となった大切な大切な恋人の存在だった。


「雨だって、そう悪くねーってばよ。雨上がりに顔岩の上から里を眺めっと、緑がキラキラして眩しーんだ!すげーキレーでよ!」


まるで宝物を見つけた子供のように、満面の笑顔でそう言っていたのは、まだ彼が次期火影候補と言われていた頃だ。


「ソレ見るたびに、このすげーキレーな里を守りてーと思うんだ!」


木ノ葉の里が眩しい程に綺麗だと言う彼は、誰よりも眩しく屈託のない笑顔の持ち主で。


笑うと、悪戯っ子の少年のような風貌になる、子供がそのまま大人になったような人間だ。


子供のようにひた向きで真っ直ぐで、けれど決して揺るがない「自分自身を信じる」という意志に裏打ちされた、強い信念を持っていた。


火影になって、忍の世界に平和をもたらす、という信念を。



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