雨上がりの蒼穹
1話
2012.01.21start
前書き
原作より未来設定。
この話は、暇つぶし劇場にある火影様シリーズの小説版、第2弾です。
今回はサスケがメインの話です。
結婚して1年過ぎたぐらい。
(男同士だけどフツーに結婚してます。あくまでも創作なのでツッコまないでね。
サスケは婿に入り、うずまき姓を名乗ってます。暇つぶし劇場の「幸せな酔っぱらい火影様」を読むと、そのへんの事情が分かります)
サスケ26歳。
火影様は外回り。サスケは火影補佐として、一人で書類整理に追われてます。
そんな時、ふと脳裏を過ぎったものとは………。
窓を叩く雨の音に紛れ、独り言のように小さな呟きが零れた。
「………雨か………」
降り出した雨が、窓硝子を淡く煙らせていく。
濃密な雨の気配が、部屋の空気に混じりこむ。
サスケは雨が嫌いだった。
灰色の空はどんよりと暗く、じめじめシトシトと鬱陶しいことこの上ない。
……と、そんな子供じみた理由ではなく。
雨は、過去の記憶を蘇らせるから。
どれだけ時が経過しようと、決して拭い去ることの出来ない、陰惨な現実。
歪んでしまった己が犯した罪。
ナルトと―――――イタチ。
二人を死の淵へと追い詰め、あまつさえイタチを死に追いやった、二つの雨の記憶。
[ 前 へ ][ 次 へ ]
[目 次 へ ][TOPへ]