熱情
15話:終

瞬きの拍子に眦に溜まった最後の一雫が流れ落ちると、それで何かが吹っ切れたように、ふとその唇が、ゆっくりと笑みを形作った。


「へへ…、そっかァー、そーだよな」


「………………」


「サスケ」


「…………何だ」


「オレもだってばよ。オレ、ずっとお前のことばっか考えてて、頭がヘンになりそーだったってば」


一年間、自分を待ち続けてくれたサスケ。


最初から、自分は彼のものだった。


好きだと認めた時から、本当は無意識に理解していた事だった。


自分にはサスケしかいないし、サスケにとっても同じなのだと。


「すっげー好きだ。きっと好きって気づく前から、ずっと好きだったんだ。サスケが大好きだってばよ!」


だから、そのお前だから、何もかもを自分から奪っていいーーーーと、キラキラと輝く蒼い瞳が笑った。


予想外のタイミングでの言葉にサスケは一瞬目を瞠り、それから嬉しそうに口元を綻ばせると、このウスラトンカチが、と呟く。


抱き締める腕は甘く、そのくせ熱い荒々しさを持っていて、ナルトは静かに瞳を閉じる。


「愛してる、ナルト。お前の全てを」


泣きたくなる程優しい響き。


身体の中を一杯に埋め尽くす、幸せな感情。


ナルトは泣き笑いの表情を浮かべ、サスケに自分から抱きついた。


《終わり》





2014.07.23end
後書き

最初はあんなに嫌がっていたくせに、コロッと受け入れちゃったナルト。

サスケのしつこさに絆された!?(笑)

これでやっとエッチが出来るね!つーか、サスケのしつこさ、ハンパねェ!(笑)

今日はサスケの誕生日です。サスケ、ハピバ!



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