雪の追憶
2話

滅多に人が寄り付かないアパートの屋根の上は、密かなナルトの憩いの場だった。


ここは、晴れていれば、手が届きそうなほど近くに星を臨む事が出来る。


降るような星空を眺めては、ガラにもなく穏やかで静かな時間を過ごすのが、たまの息抜きにはもってこいなのだ。


こう雪が降っていては星は見えないが、温暖な木ノ葉の里では滅多に拝めない雪景色を一目見ようと。


陽も暮れて凍えるような寒さの中、のこのこと外に出てきたのだった。


アパートの屋根からの見晴らしは、上々だ。


キラキラと、灯り始めた街の灯りに反射した粉雪が、クリスマスという時期も相まって、里全体をどこか幻想的な雰囲気に変えているようだった。


視界を埋め尽くす、一面の銀世界。


「……ン?このカンジ、どっかで見たよーな気ィするってばよ…?」



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