新米火影様
7話
久しぶりの感触、愛しいその匂い。
単純な触れ合いが嬉しくてドキドキする心臓は、もういい加減付き合いが長いというのに、一向に治まる気配がない。
姿が見えなければ、無意識に探してしまう。
傍にいなければ、どうしているかと思いを馳せる。
焦がれるように、いつだって自分はその存在を必要としているのだ。
なのに、次から次へと舞い込んでくる仕事に追われて、ろくに顔も見れない毎日で。
重ならない時間に、擦れ違いばかりの生活。
ゆっくり話がしたい、触れ合いたいと思っても、そんな些細な事すら簡単にはいかないという厳しい現状が、そこにはあった。
正直言って、すごく寂しい。
好きと言えば、好きだと返してくれる。
キスを贈れば、同じようにキスをくれる。
ただいまのチューも、お帰りのギュッも、交わすのが当たり前で、それがごく普通の二人の日常だった。
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