泡沫の夢
12話

(さっきから、にーちゃんがブアイソなのは、オレがメーワクかけたからだってばよ?)


無表情に見えて、実は内心怒っているのかもしれない。


だから態度が冷やかなのかも。


そうだとしたら、きちんと謝れば、この無表情な顔が少しは綻ぶのだろうか。


(にーちゃんも、サスケみてーに笑うんかな……)


フン、とどこか皮肉げに口端を上げて笑う仕草。


歳相応の13歳の少年らしい笑顔とは程遠いが、それでもきつい眼差しが和らぐその顔を見る度に、何だか妙に嬉しかった。


緩く撓められた黒い瞳に、何故だかドキドキして落ち着かなかった。


どうせなら、この似ている男の笑った顔も見れたらいいのに。


そう思いながら、ナルトはもう一度頭を下げた。



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