泡沫の夢
10話

ナルトは今更ながらに、一方的に自分ばかりが話したり縋りついたりしていた事に気付いて、ばつが悪そうに呟いた。


「ご、ごめんってばよ……」


「………………」


無意識とはいえ思いの外強くしがみついていたようで、慌てて身を離す。


気まずくて戸惑いがちに窺うと、どこか底冷えのする醒めた瞳が眺め下ろしてきた。


怒るでもなく、苛立つでもなく、その瞳は感情の一筋とて映さない。


無関心。


肌で感じ取った気配に、ナルトはきゅうっと眉根を寄せた。


何でだろう。


この男に冷たくあしらわれると、なんだか哀しくなる。


サスケじゃないのに。


違う人間なのに。


しかしそれでも出会った瞬間にだぶった記憶に、幾度も見間違いそうになってしまうのだ。


あまりに、その姿が似過ぎているから。


そしてあまりに、自分がサスケを求めているから。



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