熱情
14話

見守るサスケの前で、ナルトは震える指先を男の髪へと潜り込ませた。


いささか乱暴な動きで、こめかみから項の方まで、その感触を確かめるように黒髪を撫でていく。


大切で、大事で、どうしても諦めきれなくて、何年にも渡って追いかけ続けた。


下手をすれば、互いに限界を超えてぶつかり合い、命を落としていた可能性もなきにしもあらずだ。


それはどちらにとっても、ぞっとしない話だが。


ことに、サスケが木ノ葉への復讐よりも自分と共に在る事を選択してくれなければ、生きながらにして自分の心の一部は死んでいただろう、との苦い自覚のあるナルトにとっては、余計にだった。


サスケは、ナルトにとって全てだった。


仲間であり、親友であり、家族であり………そして大切な人だった。


絶対に失えない。何があっても譲れない。それこそ生きる為の自分に必要な、唯一無二の存在なのだ。



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