熱情
11話

多分、サスケの言ってる事は正しい。ナルトも頭では理解している。


問題は、その理解が感情にまで追い付いてない、という点だった。


だから、どうしても最後の一歩が踏み出せない。


サスケを好きなのは、確かな事実なのに。


「抱きたいんだ」


焦燥を隠しもしない真っ直ぐな声に、ナルトはよわったように揺れる瞳をサスケへと合わせた。


数十センチと離れていない距離で、瞬いている漆黒の瞳。


狂おしく求めてくる眼差しは、初めて見るくせにどこか懐かしく、ナルトの心を甘く震わせる。


大切な、恋人だった。本当は傷つけたい訳でも、拒絶したい訳でもなかった。


ただこの両腕の届く範囲で、誰よりも自分が守りたいのだと、そう望んだ相手だった。



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