熱情
10話
心底困ったように横を向いてしまったナルトに、頭上から男の深い溜息が届いた。
「………これじゃ、オレがお前の事、強姦してるみたいじゃねェかよ」
嫌がる腕を押さえつけて、もがく身体を拘束して、拒絶の言葉を吐き続ける唇を、無理矢理に奪って。
ーーーーー本当はただ、彼の事が欲しいだけなのに。
「……オレが言ってるのは、そんなに酷い事なのか?」
好きだから、欲しいと思う。
愛してるから、より深い所で感じたいと思う。
それはごく自然な欲求のはずだ。
開き直るように聞かれて、ナルトは答えられないまま、途方に暮れたように唸りを上げている相手を見上げた。
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