熱情
9話
「サスケ!ちょっ、待てってば…!コノヤロッ」
「待てねェ!」
性急な愛撫に、背中を叩く腕を苛立たしげに床へと縫いつけて、サスケは何が不満なんだとでも言いたげに、真上からナルトの事を見下ろした。
ゆっくりと、顔が近付いてくる。
怒っているのか、それとも呆れているのだろうか。
好きだと言ったくせに、いつまでたっても頑なな自分に対して。
「オレの事、好きだって言ったじゃねェか!」
「うっ…、そりゃ、言ったけど……」
「だったら何でそんなにイヤがんだよ!?」
「イヤっつーか、なんつーか……」
力なく答えながら、しかし何て説得力のない言葉なのだろうと、ナルトは途中で語尾を濁してしまう。
自分でさえそう思うのだから、サスケがどう受け取ったかは、推して知るべしだ。
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