熱情
7話
吐き出される、荒い呼吸。
ギラギラと底光りする瞳で、射竦めるようにこちらの挙動を伺っている様は、獲物を見分ける肉食獣のように全く隙がない。
ナルトが虚勢を張るように腕を突っぱねても、何の抵抗も受けていないように平然としている。
「お前は、オレとじゃイヤなのか?」
ナルトは良いとも嫌とも言わず、ただ被りを振った。
さっきから噛み締める事の多かった唇は、可哀想なほど赤くその色を変えている。
だが、サスケに自分を見逃してくれるつもりがないのも、ナルトは承知していた。
それにサスケが焦れるのも、理解できなくはないのだ。
仮にも恋人同士と呼ばれる関係になっても、キス以上の行為を一切ナルトは拒んでいたから、男が煮詰まったのは、ある意味仕方がない事なのかもしれなかった。
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