熱情
1話
2014.07.23start
前書き
サスケ帰還後設定。
「恋情」の続編です。1年後。
「恋情」では、サスケが「ナルトが欲しい」と言い、ナルトは「好き」と応えたんだけど、欲しいと好きでは想いの強さ、とゆ〜か求める激しさ、に差があって、そのサスケの激しい想いが、とうとう爆発しちゃった!とゆ〜お話です。
このお話は、恋情を書いた当時に考えてたお話です。今更ながら書いてみました。
「抱きたい」
真っ直ぐに、直接心臓を狙って放たれる言葉の矢。
何て事を真顔で言うんだ、と呆れる事も出来なかった。
熱っぽい口調の裏に潜むどうしようもない飢えは、対峙しているだけでも痛い程伝わってきて、その余りの余裕のなさに、彼は返すべき笑顔を、言葉を、全部なくしてしまった。
吸い寄せられるように、目が離せなくなる。
敵と対峙した時ほんの一瞬だけ垣間見せる、真摯な眼差し。
宵闇を思わせる双眸は僅かに銀を帯びていて、言われてみれば確かに、今日は会った最初から様子がおかしかったかもしれないと、今更のようにナルトはその事実に思い当たる。
口数の極端に少ない、口より態度で示す男が、家に寄って行けと、珍しく言葉に出して誘われた時点で、いつもとは顕らかに違っていたのだ。
その時は、たいして気にもとめていなかったのだが。
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