恋情
7話:終
変化を否定する気持ちと、それでいて肯定したい気持ちとに縛られて、身動きが取れない。
「オレは………お前が……………」
相手が口を開く度に、吐息が唇にかかる。
互いの唾液で濡れた唇が、ゆっくりと言葉を形作るのを、ナルトはただじっと魅入った。
「ナルトが欲しい」
そうして、突き付けられた恋情。
サスケの口調は内容の割りに優しく、ナルトは何故だか安堵して全身から力を抜いた。
同時に、これまで築き上げてきた関係の全てが、その瞬間に終わりを告げたのだと、ナルトは悟った。
腹立たしい程に整った顔で自分を伺う男の、熱を帯びて濡れたように光る瞳を凝視する。
身体の奥で燻っている熱は、きっとお互いが抱えているものだろう。
「お前はどうだ?」
そうして突き付けられる選択。
けれど男の言葉をどこか当然のように受け止めている己がいる事もまた、ナルトにとっては事実だった。
「……オレってば……―――――」
彼の小さな言葉を耳聡く聞きつけて、サスケは酷く満足したような微笑を浮かべた。
《終わり》
2009.09.22end
後書き
連れ戻されて、落ち着いて、やっと自分の想いに気付いたサスケが、煮詰まって、勢い行動に出たとゆ〜話でした。
だからサスケの行動がかなり強引(笑)。いきなりキスすんなよ(笑)。
お互いに好きだったくせに、自覚してなかったの。
サスケからナルトに告白する時に「好き」じゃなく「欲しい」と言わせたのは、ナルトの存在全てを欲しい!とゆ〜サスケの激しい恋情を表現したかったので、そうしました。
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