believe it or not
14話
「知んねー!知んねー!そんなんよりもっと修業にしゅーちゅーしろってばよ!!」
盛大に拒否されて、この会話はここで終わり。
サスケは溜息を吐いて、それでもナルトの気持ちも分かるから、一旦ここは大人しく引き下がる。
まだ愛も恋も、そんなものは何も知らなかった頃の、愚かな自分が犯した罪の、いわばこれは罰だから。
甘んじて受けるしかない。
ナルトが傷付いた分を、知らずに傷付けていた痛みを、今サスケは償っているのだ。
だから、待っている。
過去の時間に戻ったように。
甘く、優しく。
自分の名前だけを呼ぶ声を。
その日が、一日も早く来ることを。
サスケはそっと、服の上から胸元を抑えた。
力強く脈打っている、心臓。
けれど、見えない恋という名の傷口は、こうして穏やかに彼と会話をしている今も尚、血を流している。
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