believe it or not
13話
それでも、たとえ傲慢と罵られても。
欲しいのはナルトであり、それ以外の存在には興味がない。
狂う程に焦がれたのは、唯一人だけ。
だから何度も、何度でも、この胸から溢れそうな想い……その、一つ、一つを。
伝えたい。
「おい、聞いてんのか、ウスラトンカチ」
「むきー!オレってばウスラトンカチはとっくの昔にそつぎょーしたってばよ!……ンで何?」
「フン。てめーが好きだ、って言ったんだよ、ドベ」
クナイを持つ手がピタリと止まる。
おそるおそるといったように上目遣いで伺ってくるので、言葉ずらとは掛け離れた最大限の優しい微笑みを浮かべる。
狼狽えた素振りが愛しくて、その後でわたわたと慌てた素振りをするのも可愛くて、とにかく何もかもがナルトに支配されている。
狂っているかも知れない。
けれど、狂う程に焦がれているのも確かなのだ。
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