believe it or not
11話
本当に人を好きになるのは、怖くて辛いものだった。
その怖さを、切なさを痛感した。
自分が、本気でナルトを愛していると、気付いた今になって。
恋なんて、そんな言葉の響き程甘やかなものでも、優しいものでもなく。
届かぬ想いに込み上げる苦痛にのたうち回りながら、愛しい相手をただ見つめ続けなければならない。
愛しい人に許される日まで。
ナルトから愛されるようになるまで。
サスケは祈るように両手を握り締め、額にそっと圧し当てる。
思い浮かぶのはナルトのこと。
諦めたような、力なく眇められた眼差しが痛々しくて、胸の奥が焼け付くように疼いた。
好きだ、好きだ、好きだ。
百万遍囁けば信じてもらえるのなら、幾らでも囁こう。
この生命を差し出せというのなら、自分の腕で胸を切り開いて心臓を彼に捧げよう。
ナルトに出会ったからこそ知ることができた、大切な気持ち。
ナルトが好きだ。
好きだ。
愛してる。
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