believe it or not
8話

「好きだ」


記憶にあるあの時と同じように、男にしては華奢な造りの肩がぴくりと震える。


鮮やかな空の色をした、吸い込まれそうな瞳が瞬いた。


酷く懐かしい色彩の、陽の薫りがする身体を、そっと腕に閉じ込めて。


捕えた愛しい人の耳元に、サスケはそっと唇を触れさせた。


そしてゆっくりと想いを告げる。


あの時は、本当の意味で言ってはいなかった言葉を。


「好きだ」


ただひたすら、見返りを求めず、まるで無償の愛でもあるかのように、自分を追い続けてくれた彼を。


優しい手で抱き締めて、守って、慈しんで…………愛したい。


その想いに、今度こそ応えたい。


「好きだ、ナルト」


けれど何度そう囁いても、ナルトは寂しげに微笑んで、俯くだけだった。



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