believe it or not
7話
サスケは目を細め、彼の陽だまりのような匂いを嗅いだ。
かつては当たり前だった、懐かしい色彩。
この体温。この匂い。
それを感じて、瞼の奥が熱くなった。
――――――違う、懐かしいのではない。
そんな、過去の感情ではない。
これは今この瞬間にも、欲しているのだ。
愛しい彼を。
サスケは笑った。
急に、ふわりと心が軽くなったような気がした。
まだ間に合うならば、もう一度、あの大切な記憶の在る場所に。
大切なナルトの元に帰りたい。
――――――そう思った。
そうして、実に数年ぶりに、自らの意志で木ノ葉の地を踏んだ。
望んだのは、ナルトの傍にいることだけだった。
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