believe it or not
6話

拒絶しても拒絶しても、その腕は自分を追ってきた。


それこそ何年も。


決して諦めないその腕は、殺し合いを演じ続け、禁忌を侵し続けた己を、強く優しく、本来あるべき場所へといざなう。


人間らしさや暖かさ、そういったものの全てが詰まっているような、その腕が、自分の腕を強く掴んだ。


「帰って来いってばよ、サスケ」


「…………ナルト」




その刹那―――――――




ナルトの言葉は強く、まさしく天啓のように胸へと響いた。


心臓がどくりと跳ね上がり、その瞬間、手に負えない程の感情が胸に溢れる。


身体の中で嵐が吹き荒れているかのように。


それは『恋』という名の、狂おしい激情だった。


この時初めて、その言葉の持つ本当の意味を知った。



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