believe it or not
5話

闇に堕ちたそれからの自分は、死だけが充満した最悪な世界に生きていた。


物言わぬ骸を踏みつけ、空虚な殺戮を繰り返す。


永遠に巡り続ける、うちはの業。


排除すべき仇から、愛すべき優しい兄へと。


真実は二転三転し、復讐者から被害者、殺戮者へと血濡れた世界を彷徨う中で。


殺伐とした風景ばかりを映してきた漆黒の瞳は、いつしか目の前の現実ではなく、遠くの記憶ばかりを見つめるようになっていった。


流血を極端に好む殺人嗜好者ではないが、それでも血の匂いから逃れられない己が抱える歪み。


その事に嫌気がさしていたのかもしれない。


懐かしい記憶。


目を瞑れば、浮かび上がる黄金色の残像。


闇に一滴、金の焔を落としたような、艶やかしくも鮮やかな光彩。


繰り返し思い出す。


「オレの気まぐれでお前は命を落とすんだぜ」


「仲間一人救えねェ奴が火影になんてなれるかよ。そうだろ………サスケ」


「フン…」


冷たい――――和解など、到底望めそうにないような、端的で酷薄な言葉を突き付けても。


それでも何とか己を連れ戻そうと、懸命に伸ばされる腕。




補足:

こんな所で何ですが…

復讐者→イタチへの復讐

被害者→イタチが里から命令されてうちはを滅ぼした事を知って

殺戮者→里への復讐に向かうサスケ

…とゆ〜意味です。



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