believe it or not
3話

ところが人間とは不思議なもので、かえってしつこくされると、余計に相手に対して反骨精神にも似た強い執着が湧いてくるものだ。


実際、無視すればいいだけの相手に、いつの間にか固執してしまったのは自分だった。


良くも悪くも、その存在を跳ね除けられなくなっていた。


だから、望んでもいないのに、ただの執着心で、そんな薄っぺらな気持ちで、ナルトの告白を受け入れた。


一体何が真実なのか、その事に気付きもせずに。


「好きだ」


そうして、償い切れない罪を犯す。


子供じみた独占欲で、何がどう好きなのかももよく分からない相手の、全てを要求した。


「好きだ、ナルト」


言葉に反応して、震える華奢な肩と瞳。


自分以外誰も受け入れたことのない、瑞々しく張りのある肌に、所有の刻印を散らす。


罪の証。


そう目に映る鬱血の痕。


半ば力ずくで、心優しい彼を手に入れた。


最低なぐらい、醜いエゴだった。



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