蒼い瞳の君に
19話
混乱しきった頭では、まともな答えが導きだせる訳もなく。
ただ、これ以上、惨めな気持ちにだけはなりたくなかった。
何気ない気遣いも優しさも、全部その場限りの嘘だったら?
サスケの『友達』だと、自分に都合がいいように解釈しているだけだったら?
それが怖くて、その事実を認めるのが嫌で、ナルトはますます頑なに自分を戒めた。
友達だと認めてしまえば、後が辛くなるだけだ。
そうなる前に、何とかしなければ。
これ以上、サスケに弱い自分を曝してしまう前に、離れてしまわなければ。
弱音を吐くのは、独りに戻ってからでいい。
唇を血が出そうに噛んでいたナルトは、意を決したようにその口を開いた。
「………イヤがらせかよ?」
「は?」
「いっつもツンツンしてるくせによ!友達づらして、ちょろっと優しくしてやりゃ、オレが泣いて喜ぶとか思ってんのか!?」
「……てめー、何言ってやがる」
「そーやって、嬉しがってるオレ見て、後で笑う気だってばよ!?」
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