蒼い瞳の君に
20話
罵りながら、不覚にも声が震えた。
拒絶される事に怯え、弱さを隠す為に虚勢をはる。
そうする事でしか、独りぼっちの無力な子供でしかなかった自分は、生きてこれなかったから。
「離せっつってんだよ!!」
怒鳴りながら、自分を囲うその暖かい腕を無理やり引き剥がすように、突き飛ばす。
「里の奴らみんな、そーだ!おもしろ半分でオレをからかって、影で笑ってんだ!」
他人の嘲笑、白い目。
本当に幼い、物心つくかつかないかの頃に味わった孤独は、結構に深い所で根を下ろし、しつこく神経を苛み続けている。
口走った言葉が凶器となって、自身の胸に突き刺さっても。
それでも、過去に受けた痛みや寂しさ、怒り、悔しさ、情けなさ、そんな感情が色々とごちゃ混ぜになって、もう言葉を留める事が出来なかった。
「分かってるってばよ……。オレってば……オレってば……嫌われもん、だかんな……」
ただどうしようもなく喉を震わせて、ナルトは溢れそうになる感情に、ぎゅっと掌を握り締めた。
拳の中で、爪が皮膚に痕をつける。
「どーせ、サスケもそーなんだろ!!」
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