蒼い瞳の君に
15話
何度もサスケの胸を押したり叩いたりしてみたが、がっちりと回された腕が外れる気配は全くなかった。
逆に、ますます抱き締める腕がぎゅっと強くなる。
息苦しい程の力に、ナルトの眉が逆立ち、やがてそれでも離されないことに、困り切ったように八の字型になった。
ここまで親密に接近した試しなどなかった相手。
それが今、懐深くすっぽりと抱き締められている。
もともと同年代の人間と比べて少々小柄なナルトは、まるでサスケの身体にくるまれているような格好になっていた。
封じ込められる抵抗。
拘束された身体。
けれど、拘束するその檻は、思いの外優しくて。
不思議と、ナルトがサスケに当初覚えていた冷たく排他的な雰囲気が、いつの間にか消えたように感じていた。
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