蒼い瞳の君に
14話
けれど、とっさに離れようとした細腰を、寸前でサスケの腕が抱き込んだ。
もっと、もっと。
宥めようというのか。
それとも、慰めようというのか。
サスケ自身、はっきりとは意識しないままに。
ただこれ以上、何かを独りで堪えようとするナルトを、また独りぼっちにするような事は、耐えられなかった。
彼に寂しい思いをさせたまま、放り出したくない。
きっと、人知れず歯を食いしばって涙を流しているだろう彼の事を。
逃がさない、という意思表示のように、抱く腕にぎゅっと力を籠める。
容赦のない抱擁に、サスケより遥かに華奢な肩が憤慨したように波打った。
「離せってばよ!サスケェ!」
「イヤだ」
「いーから、離せってば!離しやがれ!」
「離さねェ!」
「むきー!!離せつってんだよ!!」
「てめーが泣くまで、離さねェ!!」
「何だってばよ、それ!?訳わっかんねー!!」
離せと叫ぶかわりに、ナルトは必死にかぶりを振り、腕の中で激しく身を捩った。
だが、サスケも頑として譲らない。
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