蒼い瞳の君に
12話

顎の下にある金髪が、ふるりと震えた。


腕の中には、何かに耐えるように身を縮めているナルト。


そうやって、言いたい事も言わず、たった一人で抱え込んだ何かを、我慢していたのだろうか。


今まで、ずっと。


こぼれるような笑顔の裏で、今にも泣いてしまいそうな顔を誤魔化しながら。


誰にも気付かれないように。


頭の中でその姿を想像すると、胸の奥がずきりと痛み、切なさと腹立ちがごちゃ混ぜになったような感情が沸き起こった。


自分が傍にいたのに、ナルトは一人で耐えようとしていたから。


何も気付けなかった自分が、彼に拒絶されるのが怖くて一歩を踏み出せなかった臆病な自分が、腹立たしい。


例え嫌われていたとしても、マンセル仲間として、誰よりも身近にいたはずなのに。


どうしようもない焦燥感が胸を衝く。


辛いなら辛いと、言ってくれればいい。


泣きたいなら、声をあげて泣けばいい。


(オレの腕の中で―――――)



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