蒼い瞳の君に
8話

5センチの身長差をこの時ばかりは丁寧に屈めて、ナルトと視線を合わせる。


ふとした拍子に触れてしまいそうな程近くで、硝子の青よりも更に深い色をした瞳がくるりと動いた。


「くれんの?サスケがオレに?」


普段こんなプレゼントまがいの行為をした事のない己の唐突な行動に、まだ納得がいかないのだろう。


へー、ふーん、と些か訝しげに、けれど興味津々に小瓶を掲げて、溶け込みそうな青空に透かしてみせる。


疑問と好奇心、それらがない交ぜになった瞳は、はっと胸を衝くような美しさを見せて、淡く揺れている。


綺麗だと思った。


とても綺麗だと。


知らず早鐘を打つ鼓動が耳に痛く、サスケは僅かに眉を顰めた。


けれど、その眼差しが、友達に向けて零すような鮮やかな笑顔が、自分に向けられる事はないのだ。


それは自分のものではないと、理解している。


サスケには永遠に手に入れられない物だった。



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