蒼い瞳の君に
6話
だから多くはいらなかった。
見ているだけでいい。
どうせ嫌われているのなら、それ以上は望まない。
第一、今更接する態度を急に変えたところで、怪しまれるのがオチだ。
スリーマンセルの仲間という、人より少し特別な立場にいるだけでいい。
それでも――――――
少しでも彼に近い色をと思って空を見上げてしまうように、無意識にその色を探してしまううちに、偶然見つけた、それ。
スーパーマーケットの売り切り品のワゴンの中に、埋もれるようにして覗いていた青い色。
澄み渡る青空を思わせる見事な青い瓶に、青いソーダキャンディを詰めただけのものは、けれど、鮮やかな彼の瞳の色によく似ていた。
思わず、手にとってしまう程に。
サスケはポケットを探り、自分の買ったそれを取り出した。
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