蒼い瞳の君に
1話
2009.10.03start
前書き
一部設定。
ナルトの誕生日を祝して書きました。
ナルトへ片想いをしているサスケ。
純粋で一途な恋心(あのサスケが純粋で一途!?とかツッコまないでね…笑)を決して表に出す事無く、仲間という立場を守っていたのだが……。
想いを秘めたサスケと、孤独を抱えたナルトの、心の触れ合い。
これは、ナルト誕生日の1日前の、10月9日の話です。
淡い色彩の青が、視界いっぱいに広がっている。
冬というには些か早い……けれど秋と呼ぶには寒さが忍び寄る微妙な季節ゆえか、その色は普段よりも朧気だ。
水色の絵の具を薄く刷いたような空を見上げながら、サスケはぼんやりと思う。
こんな風に様々な場面で空を見上げる癖がついたのは、至って単純な理由だ。
口に出しては言わないけれど、己自身が嫌という程自覚している、単純な理由によるものだった。
「なあ、なあ、何してんの?」
不意にかけられた声。
それはとても良く知っている声だった。
その音に肩を叩かれて、サスケは後ろを振り返る。
上を向いて歩いていた事に対してか、不思議そうに丸くなった瞳。
その綺麗な蒼い色に、喉の奥が小さく音を立てた。
あるいは突然の遭遇に、心の準備が出来ていなかったせいかもしれない。
「………ナルト」
空の青よりも海の青よりも、ずっと鮮やかなその色は、真正面から見るには少し眩しすぎて、サスケはふいと視線を外した。
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