蒼い瞳の君に
2話

「上ばっか見て歩いてっと、ぜってーコケるってばよ!あぶねーってば!」


「フン、誰がコケるかよ。てめーみてーにドジじゃねェ」


「ンだとォー!だったらコケても知んねーかんな!ぜってー助けてやんねーってばよ!」


「ドベのてめーに助けられるようじゃ、下忍失格だな」


「くっそー!くっそー!バカにすんな!」


つい、とそっぽを向いたままのサスケの横で、怒りの気配が伝わってくる。


けれどそれと同時に、好奇心剥き出しでこちらを伺う気配も感じ取れる。


余程ぼんやり空を見上げながら歩いていた自分の行動が不可解だったらしい。


今にも、何で?何で?と追及されそうだ。


全く、ナルトの感情表現は、まるで幼子のように無邪気で単純極まりない。


そんなストレートすぎる程に感情を真っ直ぐぶつけてくる彼は、他人に心を読まれる事を極端に嫌う自分とは、何だか縁のない存在のようにも思える。


自分と彼とは、全く別の世界に生きている人間のようでもあって、サスケは引き攣れたかさぶたを引っ掻いた時のような、ちくりとした痛みを、思わず胸に覚えた。



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