恋情
6話
再び、逃げようもなくその腕に拘束されて、心臓が跳ね上がった。
ぴたりと密着した肌から微かに薫るサスケの汗の匂いに、目眩がしそうだ。
「そうやって、わざとオレを煽ってるのか…?」
意地悪く耳元に当てられた歯が、薄く染まった耳たぶを噛む。
甘噛みされたのだと気付いたのは、這い上がってきた快感に背筋が震えた後だった。
「何のことだってば……」
「本当に気付いてないのか?」
だから何を、と咄嗟に言い返そうとしたナルトは、しかし思いの外サスケが真剣な表情でいる事に驚いて、続く言葉を飲み込んでしまった。
「サスケ……?」
「少し黙ってろよ。今、確かめてる最中なんだから」
「確かめるって、なん………」
「オレがお前のことを好きかどうか」
囁かれた言葉の意味を把握する前に、唇が荒っぽく塞がれて、思わずきつく目を閉じる。
狂ったように高鳴る心臓が、不規則なリズムを刻む。
[ 前 へ ][ 次 へ ]
[目 次 へ ][TOPへ]