恋情
2話

「は……、んっ……ぁ……」


苦し気に仰け反らせた顎から、唾液が不可思議な痺れを伴って喉へと落ちていく。


自由な方の手で何度も相手の背中を叩いてみたが、びくともしない身体に、全てが虚しい抗いである事を不意に自覚させられる。


実際に、身長も体重も、忍術でも体術でも、この相手を上回った事などないのだ。


出会った頃から今に至るまで。


その事を歯痒く思った事もある。


正直、羨ましいと思った事もある。


だがまさか、それがこんな場面で自覚させられる事になるとは、ナルトは想像もしていなかった。


「……ん……ふぅ……ん、んくっ……」


抑えようもなく、唇から擦れた吐息が漏れた。


頑なな歯列を強引に割り、侵入してきた舌がぞろりと口腔を舐め上げる。


執拗に熱を煽る行為に、気持ち悪いと思うより先に、身体が甘い反応を返してしまいそうで、ナルトは内心で酷く狼狽した。



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