邂逅
7話
望みは、サスケが里に還ること。
木ノ葉の忍で在ること。
それさえ叶うのならば、無謀な高望みはしない。
たとえ彼がそれを望んでいなくても。
たとえ拒絶されても。
それでも。
「サスケ…………」
ナルトは浅く唇を噛んだ。
無力な自分が、酷く悔しかった。
サスケはまだ、自分の声を聞いてはくれない。
…………まだ、足りない。
彼を連れ戻すだけの力が、今の自分にはない。
彼に振り向いてもらえる、信じてもらえるだけの強さが。
力が欲しいと、切実に思う。
今の自分に出来ることと言ったら、昼も夜もなく、ただ我武者らに修業するぐらいだ。
もっともっと強くなりたい。
修業して、強くなって、サスケを取り戻すのだ。
その為にここに……誰にも邪魔されず修業に没頭できるこの場所に、やって来たのだ。
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