邂逅
4話

そんな中で、マンセル仲間として最低限のパートナーシップを築き上げ、ぎりぎりの緊張感を伴う実戦を潜り抜けていくうちに。


遥か高みに、己から遠い場所にいたはずのサスケが、手を伸ばせば届くぐらいの距離に、近くにいて。


強く暖かなその手で、ナルトの手をしっかりと握り締めてくれた。


侮るでもなく、見下すのでもなく。


互いを認め合うその手を、ナルトもまた握り返していた。


孤独という名の色に支配されていた心に溢れた、圧倒的なサスケの存在。


初めて出来た絆。


彼とさらなる高みを目指し競い合っている間だけは、辛い事も苦しい事も忘れられた。


孤独に涙した思い出しかなかった秘密の場所でさえ、いつしか彼と2人で修業に明け暮れる為の格好の場所となっていった。


そうして訪れる者もいない森に隠されたこの地で、2人は芽生えたばかりの恋を育んでいった。



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