邂逅
2話
それらを胸の奥底に抱えたまま、見えない未来に挫折しそうになった時。
偶然、彼に巡り会ったのだ。
彼はナルトと同じように、孤独な目をした子供だった。
目に見えない傷と痛みが、その小さな背中を覆っているような錯覚を、思わず覚える程だった。
己とは無関係なその少年が、まだ名前すら知らない彼が、けれど紛れもなく、あの頃の自分の救いだった。
決して、話しかけたりはしなかったけれど。
独りぼっちで所在なさげに河原に座っている姿をこっそり見ている間だけは、己の不幸も忘れられた。
似た者同士。
ナルトにとって、彼はそういう存在だった。
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