邂逅
１話
2009.09
［前書き］
二部設定。
原作ベースだけど勝手な脚色強いです。
サスナルしか知らない秘密の場所が出てきたり、夜中にそこでナルトが修業してたりします。
原作の時間軸で言うと、コミック34巻で大蛇丸のアジトでサスケと再会しますよね。その少し後とゆ〜ことで。
サスケを想い取り戻したいと願うナルト。そこへサスケが……。
一途に想い続けるナルトと、それを断ち切ろうとするサスケ。二人の想いの行方は……？
夜の帳が色濃く落ちた、鬱蒼とした森の奥深く。
木々に覆い隠された獣道の果て。
周囲に自生する山百合の花に隠されるように、ぽっかり開けた空間。
誰も訪れる者などない、ひっそりと沈黙が漂うその場所は、幼きナルトが偶然見つけた秘密の場所だった。
かつて、理不尽に向けられる大人達の憎悪から逃れるように、同年代の子供達の冷たい視線に晒される度に、小さな拳を握り締めて、唇をぎゅっと噛み締めて、森の奥のこの場所で一人涙を流し孤独に耐えていた日々。
まだ片手で足りる年数しか生きていなかったというのに、ナルトは既に『諦める』という事を知ってしまっっていた。
どれだけ強く願っても、神に祈っても、どうしようもない事がこの世には在るのだと、幼い彼は痛い程に理解していた。
物心ついた時から忌み嫌われる存在だった自分が抱える、孤独への恐怖。
その痛み。
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