COUNTDOWN
*Attention
moreからあとがきと補足へ
感想、ご希望のキャラ等はコメントへ
日によってはR15程度のものもあります。
ご注意くださいませ。
*発売日決定につき再開*
▼あと108日
〜Atobe〜 「俺様のものになれよ」その言葉は、どうやら冗談ではなさそうで。何年か交際した上でのその言葉が指す意味を、私は理解している。いつでも自信満々な貴方は、こんな時ですら同様で。「私を、幸せにできるの?」少しからかうように聞き返す。「当然だ」私よりも生きている年月は短いのに、私よりも全てを知っている。そんな貴方がそう言うのなら、きっとそうであるに違いない。だから私は、貴方を最後の恋に選ぼう。
▼あと109日
〜Tezuka〜 「手塚君の好きなところを言います。冷静沈着なのに、内側に熱いものを持っているところ。真面目でストイックなところ。努力家なところ。頭がいいところ。テニスが上手いところ。低くて透き通る声。色素の薄い髪と瞳。シャープな輪郭や細い鼻梁。細いのに薄っすらと割れた腹筋。アキレス腱がくっきりな足首。伸びた背筋と背骨。きゅっと締まったウエスト。太ももの内側のホクロ。耳と首筋が弱いとk」「待て」
▼あと110日
〜Saeki〜 「うわ、痛そうだね。平気かい?」その言葉にこくりと頷く。本当は痛いかもしれないけれど、今は極度の緊張で痛みを感じない。「消毒するから我慢してね」そう言ってエタノールを傷に塗られる。椅子に座って足を出す私と、そこに跪く貴方。こんなに綺麗な人に足を向けるなんて、そして傷の手当てをしてもらっているなんて。現状を客観的に理解するだけでもドキドキする。よし、という声と共に大きめの絆創膏が傷口に貼られる。ありがとうと告げ立ち上がろうとすると、ちょっと待って、と制止の声。「早く治るおまじない、かけてあげる」そう言うや否や貴方は、絆創膏の上から傷口にキスをした。ちゅっというリップ音の後、顔をあげた貴方は満足気でいて私の反応を楽しむような笑み。私はもう、貴方の顔をまともに見ることはできなかった。
▼あと111日
〜Atobe〜 景吾様が風邪を召され、私はその世話を命じられる。額に薄っすら汗を浮かべてお休みになる景吾様。その表情は苦しげに歪められているけれど、眉間に寄せられた皺ですらも色気を纏う。濡らしたタオルでその汗を拭い、水を取り替える為に立ち上がろうとすると、私の手首を景吾様の手が捕らえる。驚いて窺うも、景吾様は眠ったまま。無意識の行動であることが、更に私の心音を速める。こんな想いは、許されない。けれど、この私に触れる温もりをどうしようもなく求めてしまう。堪えきれない涙が溢れようとした時、景吾様の目が開く。「泣いてんのか…?どうした?」寝起きの掠れた声で、そうお尋ねになる。「景吾様が、苦しげに眠っておられたので、心配で」と告げながら、貴方の事を想うと、苦しいのです。たまらなく愛おしいのですと、心の中で何度も繰り返していた。
▼あと112日
〜Yagyu〜 仕事終わりに会社を出ると、そこに貴方の姿。「どうしたの?」尋ねると、「貴女が普段、どんな風景を見ているのかと思いまして」と、寂しげに笑う。その表情に私は何も言えなくなってしまった。「いきなり押しかけてしまって不躾でしたね。けれど、もう夜も遅い。送らせていただけますか?」私は、そんなことはないよと言いたかった。でも、それ以上に。「嫌。送るだけなんて、嫌」力いっぱい貴方に抱きつく。清潔感のある香りが心地よくて、離したくない。頭上からは優しい溜め息が聞こえる。「泊めていただくことになれば、明日の朝の保証は出来かねますよ?」明日は遅出であることを頭の片隅に、私は何度も頷いた。
▼あと113日
〜Tezuka〜 私たちは、別々の空を見上げていた。私の空が晴れる時、貴方の空は泣いていただろうか。「Entschuldigung.」見慣れない街並みの中、ただ一つ私の知っている顔。振り向き、驚きを隠せない貴方は「どうして、ここに」と声を漏らす。「Ich möchte den Himmel mit Ihnen.」そう告げると、貴方は何も言わず静かに微笑み私の手を引いた。
▼あと114日
〜Kirihara〜 楽しそうに話す貴方。話題はころころと変わって、飽きることはない。繋いだ手がじんわりと暖かい。「なあ、寒くねえ?」心配そうに尋ねるけれど、陽だまりのような貴方の傍なら、寒さなんて感じない。大丈夫だよと告げると、繋いでいない方の貴方の掌が、私の頬に触れる。「でも、冷えてんじゃん」あっためてやるから。そういう貴方だって寒そうなのに。優しいこの時間が、私は大好きだ。
▼あと115日。
〜Niou〜 白い肌だ。そして華奢だ。なのにどうしてだろう。貧相なこの身体には壮絶な色気があって、思わず唇を寄せる。「痛いぜよ」「ごめん、なんかあんた見てると噛みたくなるんだ」あんたは楽しそうに笑って、私の耳元に頭を埋める。すると耳に痛みが走る。「ちょっ、と、痛い」「俺も、お前を食いたくなる」なぁ、食べてええ?濡れた瞳で告げるあんたを、私だって食べ尽くしてしまいたい。
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