▼ かれの地雷
「あいつらって仲良かったっけ」
百味ビーンズを覗き込みながら何味をとるか吟味している時だった。
「はぁ?」
「あの二人、レギュラスともう1人はお前のダーリンだろう?」
「はぁ?」
小馬鹿にしたように笑うジェームズにムカッとして、鋭い視線でジェームズが顎で指す方を見た。
それは思いもよらぬ光景だった。
レギュラスと、その横に並ぶレーベラ。仲良く背を並べて入って行った先は図書館だった。
「最近噂だよ。レギュラスとあの子が仲良いって。」
最近妙に避けられていた。
話していても浮かない顔で、早々にきりあげる。薄々感じていたアイツとの距離感。
今レギュラスと歩いてるアイツの顔をみて、脳みそが一気に熱くなった。
別に仲良くなりたいなんて思ってない。ただ、想像してたスリザリンの女と違ったから、面白くて気になってただけだ。
じっとりと人を品定めするような目では無くて、子供みたいにキラキラした目で、笑っていたアイツがちょっと面白くて。
そう、ちょっとした好奇心だ。
しかし、俺の見解は間違っていたようだ。あの日から俺の事を避けて何事も無かったかのように、純血主義者の塊のようなアイツと急にくっついて歩いてる。
そういうことだ。
「クソ純血」
口に広がる鉄の味が臭かった。
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