寝不足な彼氏とご対面

「!なんだ、来てたの」
「寝させてもらってた、わりぃ」


部屋に居たのはシカマルだった。ついさっきまで寝てたみたいで、電気も点けずに出てくるもんだから流石にビックリした。ていうか、来るなら言ってよ。ヘタしたらシカマルん家に行っちゃってたじゃん私。


「私ご飯食べて来ちゃったよ」
「あぁ、べつにいいけどよ」
「なんか作る?」
「疲れてるだろ。いーよ適当になんか食うから」


そう言って台所へ向かうシカマル。もう勝手知ったる我が家ってかんじです。家着になっていた彼からは、かすかに石鹸の香りがした。


「シカマル今すぐ食べる?」


台所にいるシカマルの背中に向かって、少し大きめの声で問いかけた。


「おぉ。ん?ああ風呂入ってこいよ」


一から十まで言わなくてもシカマルはすべてを理解してくれる。楽だ。めちゃくちゃ楽だ。そのうち喋んなくても大丈夫になる日が来るんじゃないかと勝手に思っていたりする。ちゃっかり湯船ためてるあたりもなんか癒される。めんどくさがりのくせに、ここぞというキュンポイントをついてくる。これはIQ200の手口なのか天然か、二年も付き合ってるのにまだわかんないや。


「ほらよ」
「うわ。さすが!」


風呂上がりに牛乳が用意されていた。至れり尽くせりすぎて、胸がどきどき痛い。これもいつになったら慣れるんだろう。グラスに入ったそれを一気飲みしたら、火照った身体がスーと冷たくなった。


「はースッキリ」
「そりゃよかったな」
「てかさ、私は普通に今から寝れるけどシカマル今まで寝てたんでしょ」
「ばーか。オレはどんだけでも寝れるんだよ」


大丈夫なの?って聞く前になんとも頼もしいお言葉が返ってきた。確かにすでにもう眠そうだ。私より先に寝そうだ。ご飯食べてすぐ寝るとか子ども顔負けだ。


「じゃーもう寝よっか」
「おーおやすみ」
「いやいやいや、ちょっとの距離だからベッドまでは移動しようよ」
「ちょっとの距離がめんどくせぇ」


そしてどこでめんどくさがるのか未だに謎。そんな私の彼氏、奈良シカマルです。






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